税理士の転職活動で、「転職エージェントは1社だけで良いのか、複数使うべきなのか」は多くの方が迷うポイントです。結論から言えば、2〜3社に登録して使い分けるのが最も効率的です。
ただし、やみくもに多数のエージェントに登録すると逆効果になることもあります。この記事では、業界経験者の立場から、エージェントの賢い使い分け方を解説します。
複数登録が「当たり前」の理由
転職エージェントの複数利用は、税理士業界に限らず転職活動の基本戦略です。特に税理士の転職では、以下の理由から複数登録が推奨されます。
理由1:エージェントごとに保有求人が異なる
転職エージェントが保有する求人の約60〜80%は非公開求人と言われています。各エージェントが独自に企業と契約しているため、A社にはあるがB社にはない求人が数多く存在します。
特に税理士業界では、Big4やブティック型ファームの求人は特定のエージェントにしか出ていないケースが珍しくありません。1社だけの登録では、こうした求人を見逃してしまいます。
理由2:アドバイザーとの相性がある
どんなに評判の良いエージェントでも、担当アドバイザーとの相性は実際に話してみないとわかりません。「この人は自分のキャリアを理解してくれている」と感じるアドバイザーに出会える確率を上げるためにも、複数のエージェントと面談することが重要です。
理由3:比較することで判断の質が上がる
1社のアドバイザーの意見だけを信じるのはリスクがあります。複数のアドバイザーから市場評価や求人提案を受けることで、自分の市場価値をより正確に把握できます。
おすすめの組み合わせパターン
税理士の転職では、「特化型 + 総合型」の組み合わせが最も効果的です。
タイプ | 特徴 | 具体例 |
|---|---|---|
税理士特化型 | 税理士業界の求人に精通。事務所の内部情報に詳しい | ヒュープロ、マイナビ税理士、レックスアドバイザーズ |
士業・管理部門特化型 | 税理士を含む士業全般の転職に強い。事業会社の求人も豊富 | MS-Japan、ジャスネットキャリア |
総合大手型 | 求人数が圧倒的。大手企業の経理・税務ポジションに強い | リクルートエージェント、doda |
パターン例:Big4・大手法人を目指す場合
- 税理士特化型1社(内部情報を得る)
- 士業特化型1社(幅広い法人の求人をカバー)
- 合計2社でスタートし、必要に応じて追加
パターン例:事業会社への転職を検討する場合
- 士業特化型1社(事業会社の税務ポジションに強い)
- 総合大手型1社(大手企業の求人を幅広くカバー)
- 税理士特化型1社(比較検討のため事務所の求人も確認)
複数登録のデメリットと対策
デメリット1:求人の重複応募リスク
最も注意すべきなのが、同じ求人に複数のエージェントから応募してしまうことです。これは企業側からの印象が非常に悪く、選考落ちの原因になります。
対策:応募先を一覧表で管理し、応募前に必ず「この企業にはまだ応募していない」と確認する。エージェントにも「他のエージェントで○○社には既に応募済みです」と正直に伝える。
デメリット2:連絡の対応負荷
複数のエージェントから電話やメールが来るため、対応に時間がかかります。
対策:連絡は基本的にメールで統一し、電話は事前にアポイントを取ってもらう。「平日の19時以降に連絡をお願いします」など、条件を明確に伝える。
デメリット3:情報の整理が大変
複数のエージェントから異なる求人を紹介されると、比較が煩雑になります。
対策:Excelやスプレッドシートで「エージェント名・企業名・年収・条件・応募状況」を一元管理する。
エージェントとの上手なコミュニケーション術
- 複数登録している事実は正直に伝える:隠す必要はない。むしろ「他社でも活動しています」と伝えた方が、より良い求人を提案してもらえる傾向がある
- 優先順位をつける:最も信頼できるエージェントをメインに据え、他はサブとして活用する
- 条件は統一して伝える:エージェントごとに希望条件がブレると、紹介される求人もブレる
- 反応が遅いエージェントは切る:連絡が1週間以上ない、求人紹介が少ないエージェントは、早めに見切りをつけて他に集中する
登録しすぎは逆効果:何社がベスト?
私の経験上、最適な登録数は2〜3社です。
登録数 | 評価 | 理由 |
|---|---|---|
1社 | 少なすぎる | 求人の幅が限定的。比較ができない |
2〜3社 | 最適 | 十分な求人数を確保しつつ、管理可能な範囲 |
4〜5社 | やや多い | 連絡対応が負担になり始める。重複応募リスクが増加 |
6社以上 | 多すぎる | 管理が破綻し、どのエージェントも中途半端な対応になる |
直接応募とエージェント経由、どちらが有利?
「エージェントを通さず直接応募した方が有利」という声もありますが、税理士業界ではエージェント経由の方が有利なケースが多いです。理由は以下のとおりです。
- エージェントが事前に推薦状を書いてくれるため、書類選考の通過率が上がる
- 年収交渉をエージェントが代行してくれる
- 事務所の内部情報(残業時間、離職率など)を教えてもらえる
- 不合格の場合、理由をフィードバックしてもらえる
まとめ
転職エージェントの複数登録は、税理士の転職活動を成功させるための基本戦略です。「特化型 + 総合型」で2〜3社に登録し、求人の幅を最大化しながら重複応募に注意する——これが最も効率的なやり方です。
各エージェントの特徴や評判については、税理士向け転職エージェントランキングで詳しく比較しています。まずはメインとなるエージェントを選ぶところから始めてみてください。
