税理士法人研究

Big4税理士法人に入るには?|選考プロセスと求められる人材

Big4税理士法人に入るための選考プロセス・求められる資格・面接対策を解説。準大手からコンサルに転職した筆者がBig4出身者の特徴と選考突破のポイントを語ります。

「Big4税理士法人に入りたいけど、何が求められるのか分からない」——税理士を目指す方やキャリアアップを考えている方から、こういった質問をよく受けます。

筆者自身はBig4ではなく準大手税理士法人の出身ですが、その後コンサルティングファームに転職してからBig4出身者と数多く一緒に仕事をしてきました。その経験から、Big4に入る人の共通点と選考で見られているポイントをお伝えします。

Big4税理士法人の選考プロセス

Big4税理士法人(デロイト トーマツ、PwC、EY、KPMG)の選考プロセスは、概ね以下の流れです。

一般的な選考フロー

ステップ

内容

所要期間

1. 書類選考

履歴書・職務経歴書の審査

1〜2週間

2. 一次面接

マネージャーとの面接

30〜60分

3. 二次面接

パートナーとの面接

30〜60分

4. 最終面接

代表パートナーとの面接(場合あり)

30分程度

5. オファー

年収・配属チームの提示

1〜2週間

法人によって面接の回数は異なりますが、2〜3回の面接が一般的です。なお、転職エージェント経由で応募するケースが多く、直接応募より選考がスムーズに進むことが多いです。

書類選考で見られるポイント

Big4の書類選考では、以下の点が重視されます。

  • 科目合格の状況:最低2科目合格、理想は3科目以上。特に法人税法の合格は大きなプラス
  • 実務経験の内容:法人税の申告書作成経験、顧問先の規模と件数
  • 学歴:正直に言うと、Big4は学歴をある程度見ます。MARCHクラス以上が目安
  • 英語力:EYやPwCの国際税務チームを志望する場合はTOEIC700点以上が望ましい

ここで注意したいのは、全ての条件を満たしていなくても通過することはあるということです。科目合格数が少なくても、特定の専門領域(相続税、国際税務など)で実績があれば評価されます。

面接で問われること

一次面接:実務能力の確認

一次面接はマネージャーが担当することが多く、実務能力と即戦力性が主な評価ポイントです。具体的には以下のような質問が想定されます。

  • これまでの業務内容を具体的に教えてください
  • 最も難しかった案件はどのようなものでしたか
  • 法人税の申告書はどの程度まで一人で作成できますか
  • 組織再編税制やグループ通算制度についてどの程度の知識がありますか
  • なぜBig4を志望するのですか

ここで大事なのは、「できること」と「できないこと」を正直に答えることです。Big4の面接官はプロの税理士なので、背伸びした回答はすぐに見抜かれます。「ここまではできるが、この先は経験がない。だからこそBig4で経験を積みたい」という率直さの方が好印象です。

二次面接:人物面とキャリアビジョン

二次面接はパートナーが担当し、人物面とキャリアビジョンが主な評価ポイントになります。

  • 5年後にどのような税理士になっていたいですか
  • 税理士法人での経験をその後のキャリアにどう活かしたいですか
  • クライアントとの関係構築で心がけていることは何ですか
  • チームワークについてどう考えていますか

パートナー面接では、「この人と一緒に働きたいかどうか」が最も重要な判断基準です。技術的な質問よりも、コミュニケーション力や仕事に対する姿勢を見られていると考えてください。

筆者が見てきたBig4出身者の共通点

コンサルティングファームで多くのBig4出身者と一緒に働いてきた筆者が感じる、Big4に受かる人・活躍する人の共通点を紹介します。

1. 自走力がある

これは筆者が税理士法人時代に最も鍛えられた能力でもありますが、「分からないことを自分で調べて解決する力」はBig4出身者に共通して高い能力です。条文を読み、過去の判例を調べ、自分なりの見解を持った上で上司に相談する。この習慣が身についているかどうかは、面接でも見られています。

筆者の経験でも、税理士法人で過去の裁決事例を自分で調べて論点を整理する力をつけたことが、その後のキャリアで大きな財産になりました。Big4の選考では、この「自走力」があるかどうかを具体的なエピソードで示すことが重要です。

2. 論理的に説明できる

税務の世界では、「なぜそうなるのか」を条文に基づいて論理的に説明できることが求められます。Big4出身者は例外なくこの能力が高い。面接でも、自分の考えを筋道立てて説明できるかどうかは重要な評価ポイントです。

3. 好奇心が旺盛

意外かもしれませんが、Big4で活躍している人は「税法以外のことにも興味がある人」が多いです。ビジネスの仕組み、業界の動向、クライアントの経営課題——こういった幅広い関心を持っている人は、クライアントとのコミュニケーションも上手く、結果的に仕事の質も高くなります。

科目合格の状況別:Big4への入り方

科目合格状況

Big4への現実的なルート

補足

5科目官報合格済み

直接応募で最も有利

即戦力として高評価

3〜4科目合格

十分応募可能

法人税法合格は大きなアドバンテージ

2科目合格

実務経験との組み合わせ次第

3年以上の実務経験があれば可能性あり

1科目合格

中小→準大手→Big4のステップアップ推奨

直接Big4は厳しい場合が多い

筆者自身は2科目合格の段階で準大手税理士法人に入り、そこで実務経験を積んでからコンサルに転職しました。必ずしも最初からBig4を目指す必要はなく、段階的にステップアップするルートも十分に有効です。

Big4に入るための準備チェックリスト

  • 科目合格を進める:最低2科目、可能なら3科目以上を目指す
  • 職務経歴書を具体的に書く:担当件数、顧問先の規模、使用ソフトなど数字で示す
  • 志望動機を明確にする:「なぜBig4なのか」「なぜその法人なのか」を言語化する
  • 専門分野を意識する:国際税務、M&A税務、組織再編など、どの分野に興味があるか整理する
  • 英語力を証明する:国際税務チーム志望ならTOEICスコアを取っておく
  • 転職エージェントを活用する:Big4の採用事情に詳しいエージェントを選ぶ

まとめ:Big4は「入ること」より「何を得るか」が大事

Big4税理士法人に入ることは確かに大きなキャリアのステップアップです。しかし、本当に大事なのは「Big4に入ること」自体ではなく、「Big4で何を身につけるか」です。

筆者が見てきたBig4出身者の中で、その後のキャリアで成功している人は例外なく「Big4で○○の専門性を身につけた」と明確に言える人たちでした。入社を目指す段階から「自分はBig4で何を得たいのか」を考えておくことが、選考突破の鍵にもなりますし、入社後のキャリアにも繋がります。

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Suger税理士

税理士資格保有。会計事務所・税理士法人での実務経験を活かし、会計業界のキャリア・転職に関するリアルな情報を発信しています。

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