「税理士からコンサルへの転身は可能なのか?」——これは筆者自身が実際に歩んだ道です。準大手税理士法人から大手コンサルティングファームに転職し、年収は500万円から700万円に上がりました。
この記事では、税理士がコンサルに転身するリアルをお話しします。
なぜ税理士からコンサルを目指したのか
筆者が税理士法人からコンサルに転職した理由は明確で、「税務DDだけでなく、M&Aのディール全体に関わりたかった」からです。税理士法人にいると、M&A案件でも税務デューデリジェンスの部分しか関われません。それが歯がゆかった。
M&Aの全体像——戦略立案、企業価値評価、交渉、PMI——に関わるには、コンサルティングファームに行く必要があると判断しました。
税理士がコンサルで活かせるスキル
税理士のスキル | コンサルでの活用場面 |
|---|---|
財務諸表の読解力 | 企業分析、バリュエーション |
税務の専門知識 | M&Aのストラクチャリング、税務DD |
数字への強さ | 定量分析、事業計画策定 |
クライアント対応力 | 経営者との折衝 |
調査・分析力 | リサーチ、論点整理 |
特に大きかったのは、税理士法人で培った「自分で過去事例を調べて、主体的に考えて進める力」です。税理士法人では一人ひとりが独立して案件を回す文化があるため、コンサルに移っても自走力という点ではスムーズに適応できました。
転職のハードルは高いのか?
正直に言うと、筆者の場合はそこまで苦労しませんでした。税理士資格を持っていると「数字に強い」「論理的思考ができる」という前提で見てもらえるので、コンサルの選考でもベースとなる能力は評価されやすい。
ただし、以下の点は面接で聞かれました:
- なぜ税務の世界からコンサルに来たいのか(明確な志望動機が必須)
- チームワークの経験(税理士は個人プレーのイメージがあるため)
- 英語力(ファームによっては必要)
コンサルに転職して感じたギャップ
良いギャップ
- 案件の幅が一気に広がる。税務だけでなくビジネス全体に関われる
- スピード感がある。意思決定が速い
- 優秀な人が多く、刺激を受ける
想定内のギャップ
- プレゼン資料作成のスキルが求められる(税理士法人ではあまり作らない)
- 案件ごとにチームが変わるので、人間関係の構築が必要
年収の変化
筆者の場合は500万円→700万円と200万円アップしました。コンサルティングファームは全般的に税理士法人より年収水準が高い傾向にあります。
ただし、年収アップだけでなく「その後のキャリアの広がり」が最大の収穫でした。コンサル経験があることで、その後の上場企業への転職でも高い評価を受けることができました。
税理士からコンサルを目指す人へ
税理士資格は「税務しかできない人」の資格ではありません。数字が読める、論理的に考えられる、クライアントに提案できる——これらの能力は、コンサルティングの世界でも確実に武器になります。
税理士資格があれば、M&Aや財務、経営コンサルなど周辺領域への転職の道は確実に開けます。筆者がそうであったように、税理士は「入口」であって「天井」ではないのです。
