キャリアパス別ガイド

相続税特化の税理士になるには?キャリアパスと年収を解説

相続税特化の税理士になるためのキャリアパス、必要なスキル、年収水準を解説。資産税分野の需要が増えている背景やおすすめの転職先も紹介します。

税理士の中でも相続税(資産税)に特化した税理士は、近年急速に需要が高まっています。高齢化社会の進展で相続件数が増加していることに加え、2015年の相続税法改正による基礎控除引き下げで、相続税の申告件数は大幅に増えました。

税理士として相続税分野に興味がある方に、業界経験者の視点からキャリアパスと年収の実態をお伝えします。

相続税特化税理士の需要が増えている背景

相続税の申告件数は、2015年の基礎控除引き下げ前と比べて約2倍に増加しています。一方で、相続税申告に対応できる税理士は限られています。

税理士の登録者数は約8万人(2025年時点)ですが、相続税申告を年間1件以上経験している税理士は全体の約10%程度と言われています。つまり、相続税に精通した税理士は圧倒的に不足しているのが現状です。

  • 年間の死亡者数:約156万人(2024年)
  • 相続税の申告件数:約15万件/年
  • 相続税申告に対応できる税理士:推定8,000〜10,000人

この需給ギャップが、相続税特化税理士の高い市場価値を支えています。

相続税特化税理士の年収水準

相続税特化の税理士は、一般的な法人税務を中心とする税理士よりも年収が高い傾向にあります。

キャリアステージ

一般税務の年収

相続税特化の年収

スタッフ(1〜3年目)

350万〜450万円

400万〜500万円

シニア(3〜7年目)

450万〜650万円

550万〜800万円

マネージャー(7年目〜)

600万〜900万円

750万〜1,200万円

独立開業

500万〜1,500万円

800万〜3,000万円超

特に独立した場合の差は顕著です。相続税申告は1件あたりの報酬単価が高く(遺産総額の0.5〜1%程度が相場)、遺産総額1億円の案件なら報酬50〜100万円が一般的です。月に2〜3件の申告をこなせば、一般税務の独立税理士を大きく上回る収入が見込めます。

相続税特化税理士に必要なスキル

税務スキル

  • 相続税法の深い理解:税理士試験で相続税法に合格していることが理想。実務では小規模宅地等の特例、配偶者の税額軽減、納税猶予制度など複雑な特例の適用判断が頻繁に求められる
  • 土地評価(財産評価基本通達):相続税申告の最も難しい部分。路線価方式・倍率方式の使い分け、不整形地補正、広大地(地積規模の大きな宅地)の評価は必須スキル
  • 非上場株式の評価:事業承継と密接に関わる。類似業種比準方式・純資産価額方式の使い分けに精通していることが求められる

対人スキル

  • 遺族への寄り添い:相続は感情が絡む場面が多い。遺族の心情に配慮したコミュニケーション能力が不可欠
  • 遺産分割の調整力:相続人間の利害対立を調整する場面もある。弁護士や司法書士との連携力も重要

相続税特化税理士になるためのキャリアパス

ステップ1:税理士試験で相続税法を選択(1〜3年目)

将来的に相続税特化を目指すなら、試験科目で相続税法を選択することを強くおすすめします。相続税法の合格は転職市場でも高く評価されます。

ステップ2:相続税案件が多い事務所で実務経験を積む(3〜7年目)

おすすめの転職先は以下のとおりです。

転職先

メリット

案件の特徴

税理士法人チェスター

年間申告件数が業界トップクラス。短期間で大量の経験を積める

中〜大規模の相続案件が中心

辻・本郷税理士法人

資産税部門が充実。総合力のある法人で幅広い相続案件を経験

事業承継を絡めた複合案件も

税理士法人山田&パートナーズ

事業承継・資産税のコンサルティングに強み

高額案件・上場企業オーナーの案件

税理士法人レガシィ

相続専門の老舗法人。独自のノウハウ蓄積が豊富

幅広い規模の相続案件

ステップ3:専門性を武器に独立 or 幹部へ(7年目以降)

相続税の実務経験を7年以上積めば、独立しても十分にやっていけるだけのスキルと人脈が蓄積されているはずです。独立せずとも、資産税部門の責任者としてキャリアアップする道もあります。

相続税特化のキャリアで注意すべきこと

  • 法人税務のスキルが弱くなるリスク:相続税に特化しすぎると、法人税務に戻りにくくなる場合がある
  • 案件の波がある:相続は発生ベースなので、月によって繁閑の差が大きい
  • 精神的な負担:遺族の感情に寄り添う場面が多く、メンタル面の消耗がある

まとめ

相続税特化の税理士は、需要の増加・高い年収水準・独立のしやすさという三拍子が揃ったキャリアパスです。相続税法の科目合格と、相続案件が豊富な事務所での実務経験を積むことが、このキャリアへの最短ルートです。

相続税に強い事務所への転職を検討している方は、税理士業界に特化した転職エージェントに相談するのが効率的です。転職エージェントの比較については別記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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Suger税理士

税理士資格保有。会計事務所・税理士法人での実務経験を活かし、会計業界のキャリア・転職に関するリアルな情報を発信しています。

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