キャリアパス別ガイド

28歳税理士のキャリアの分岐点|専門特化か管理職か

28歳は税理士としてのキャリアの方向性が決まる重要な年齢。専門特化・管理職・キャリアチェンジの3つの選択肢を、28歳前後で転職を決断した筆者が具体的な年収データとともに解説します。

28歳という年齢は、税理士のキャリアにおいて最初の大きな分岐点です。新卒から会計事務所に入った人なら実務経験6年目。中途入所の人なら、そろそろ業界の全体像が見えてきた頃でしょう。

筆者自身、ちょうどこの年齢の前後で「このまま税理士法人にいるのか、それとも外に出るのか」を真剣に考え、最終的に準大手税理士法人から大手コンサルティングファームへの転職を決断しました。あのときの選択が、その後のキャリアを大きく変えたのは間違いありません。

なぜ28歳が「分岐点」なのか

市場価値がピークに向かう入口

税理士業界の転職市場では、28〜35歳が最も市場価値が高い層です。実務経験がある程度蓄積され、かつまだ柔軟にキャリアを変えられる年齢だからです。28歳はその「黄金期」の入口にいます。ここで何を選ぶかによって、30代のキャリアが決まります。

科目合格・官報合格のタイミング

25歳前後で勉強を始めた人は、28歳で3〜4科目合格、あるいは官報合格に至るケースが多い。合格科目が増えるたびに転職市場での評価が上がるため、この段階で一度キャリアの棚卸しをすべきです。

28歳で選べる3つのキャリアパス

選択肢

向いている人

年収レンジ(30代前半時点)

将来性

専門特化(税務のプロ)

特定の税目で勝負したい人

600〜800万円

独立しやすい、市場価値が落ちにくい

管理職・マネジメント

組織運営に興味がある人

700〜1,000万円

パートナーへの道、年収上限が高い

異分野へのキャリアチェンジ

税務以外のフィールドに挑戦したい人

700〜1,200万円

コンサル・事業会社で可能性が広がる

選択肢1:専門特化のキャリア

法人税・相続税・国際税務などの専門家を目指す

28歳からの5年間で特定分野に集中すれば、33歳で「その分野のスペシャリスト」としてのポジションが確立できます。特に相続税や国際税務は専門家が不足しているため、高い年収を維持しやすい。

筆者は法人税法を受験科目として選びましたが、この選択はその後のM&A関連業務への展開に直結しました。科目選択の段階からキャリア設計を意識することが重要です。

専門特化のメリット

  • 独立開業時に「看板」になる専門分野がある
  • 転職市場で替えの効かない人材になれる
  • 年齢を重ねても専門性で勝負し続けられる

選択肢2:管理職・マネジメントへの道

チームリーダーからパートナーへ

中堅以上の税理士法人では、30歳前後でチームリーダーやマネージャーに昇格する道があります。マネジメントに進むなら、28歳から意識的にリーダーシップ経験を積んでおくべきです。

中堅以上の事務所であれば30歳で年収800万円も可能ですし、管理職になれば1,200〜2,000万円のレンジが見えてきます。パートナーまで行けば青天井です。

管理職に向いている人の特徴

  • 後輩の指導にやりがいを感じる
  • クライアントとの関係構築が得意
  • 組織全体の売上・利益を意識できる
  • 自分が手を動かすより、チームで成果を出したい

選択肢3:キャリアチェンジ

コンサル・事業会社への転職

筆者がまさにこの道を選びました。準大手税理士法人での経験を武器に、大手コンサルティングファームに転職。年収は500万円から700万円に上がりました。

28歳は「税理士としての基礎ができている」けれど「まだキャリアが固まりきっていない」という絶妙な年齢です。コンサルや事業会社は、この年齢層の税理士を積極的に採用しています。なぜなら、税務の専門知識を持ちながらも、新しい環境に適応する柔軟性があるからです。

ただし、30歳を過ぎると「税理士法人での経験が長すぎて、他のカルチャーに馴染めないのでは」と見なされるリスクが出てきます。キャリアチェンジを考えるなら、28〜30歳がラストチャンスに近い感覚です。

28歳で絶対にやってはいけないこと

「なんとなく」で現状維持すること

28歳で最も避けるべきは、何も考えずにそのまま居続けることです。別に転職しなくてもいい。専門特化を選ぶのもいい。管理職を目指すのもいい。大事なのは「意識的に選択すること」です。

何も選ばないまま30歳、32歳と歳を重ねると、いつの間にか選択肢が狭まっていきます。筆者の周りにも「もっと早く動けばよかった」と後悔している人は少なくありません。

28歳の税理士がいま取るべきアクション

  1. 自分の市場価値を確認する → 業界特化のエージェントに相談するだけで、客観的な評価がわかる
  2. 3年後のキャリアイメージを言語化する → 専門特化か、管理職か、異分野か
  3. 足りないスキルを棚卸しする → 専門特化なら案件経験、管理職ならマネジメント経験、異分野なら英語やプレゼン力
  4. 組織の看板ではなく自分の専門性で勝負する覚悟を持つ → これは筆者が転職を決めたときの信念です。どの道を選ぶにしても、自走力がなければキャリアは開けません

28歳は「まだ若い」のではなく、「最も選択肢が広い最後の年齢」です。今この瞬間に考え始めることが、30代のキャリアを決定づけます。

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Suger税理士

税理士資格保有。会計事務所・税理士法人での実務経験を活かし、会計業界のキャリア・転職に関するリアルな情報を発信しています。

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