税理士法人研究

税理士法人のワークライフバランス比較|残業・繁忙期・有給の実態

税理士法人の残業時間、繁忙期の実態、有給取得率などワークライフバランスに関する情報を法人タイプ別に比較します。

税理士の転職で「年収」と同じくらい重要視されるのがワークライフバランス(WLB)です。特に近年は、働き方を見直すために転職を考える方が増えています。しかし、税理士法人のWLBは外からは見えにくく、入ってから「こんなはずでは」と後悔するケースも少なくありません。

この記事では、法人タイプ別のWLBの実態を、残業時間・繁忙期の厳しさ・有給取得率の3つの指標で徹底比較します。

法人タイプ別WLB比較表

法人タイプ

月平均残業

繁忙期残業

有給取得率

総合評価

Big4(デロイト トーマツ等)

30〜45時間

60〜80時間

50〜65%

★★☆☆☆

中堅法人(辻・本郷等)

20〜40時間

40〜70時間

45〜60%

★★★☆☆

中小会計事務所

10〜50時間

30〜100時間

30〜70%

★〜★★★★(差が激しい)

事業会社

10〜25時間

20〜40時間

60〜80%

★★★★☆

特化型法人(相続税特化等)

20〜35時間

30〜50時間

50〜65%

★★★☆☆

最もWLBの差が大きいのは中小会計事務所です。所長の方針次第で天国にも地獄にもなるため、事前のリサーチが極めて重要です。ブラック事務所の見分け方はブラック会計事務所の見分け方7選で詳しく解説しています。

Big4のWLB実態

Big4(デロイト トーマツ、PwC、EY、KPMG)のWLBは「良くはないが、改善傾向」というのが正直な評価です。

残業時間

  • 通常期:月30〜45時間。定時退社は稀で、19〜20時退社が標準的
  • 繁忙期(1〜3月、5月):月60〜80時間。終電帰りも珍しくない。一部のチームでは月100時間を超えることも
  • 閑散期(7〜9月):月10〜20時間。この時期にまとまった休暇を取る人が多い

リモートワークの状況

Big4はコロナ禍以降、週2〜3日のリモートワークを認めている法人が多いです。ただし、繁忙期や新人はオフィス出社が求められる傾向にあります。これはWLBの観点からプラス材料です。

有給取得

制度上の有給日数は充実していますが、実際の取得率は50〜65%程度。繁忙期に有給を取るのは事実上困難です。閑散期にまとめて取得するパターンが一般的です。

中堅法人のWLB実態

中堅法人(辻・本郷、山田&パートナーズ、太陽グラントソントンなど)は、Big4より若干WLBが良いというのが業界の一般的な評価です。中堅法人の詳細は中堅・準大手の税理士法人おすすめ8選で紹介しています。

  • 通常期の残業:月20〜40時間。法人によるが、Big4より10〜15時間少ない傾向
  • 繁忙期の残業:月40〜70時間。Big4ほど極端にはならないが、それでもハード
  • 特徴:拠点や部署によるバラつきが大きい。地方拠点は比較的WLBが良い傾向

中小会計事務所のWLB実態

中小事務所のWLBは「所長次第」の一言に尽きます。同じ「従業員10名の事務所」でも、WLBは天と地ほど違います。

WLBが良い事務所の特徴

  • 所長が「残業は悪」と明確に考えている
  • ITツール(クラウド会計、電子申告)を積極的に導入
  • 1人あたりの担当件数が15〜20件以内
  • パート・アルバイトを活用して繁忙期に対応
  • 個人の確定申告を絞り、法人中心の顧問先構成

WLBが悪い事務所の特徴

  • 所長が長時間労働を美徳と考えている
  • 紙ベースの業務が多く、IT化が遅れている
  • 1人あたり25件以上を担当
  • 確定申告期に大量の個人案件を受任
  • 退職者が多く、慢性的に人手不足

繁忙期の実態を法人タイプ別に詳解

税理士業界の繁忙期は主に3つのピークがあります。それぞれの法人タイプでの影響度を比較します。

繁忙期

時期

Big4への影響

中小事務所への影響

確定申告

1〜3月

中(個人案件が少ないBig4は比較的影響小)

大(個人の確定申告が集中)

3月決算法人の申告

4〜5月

大(上場企業の3月決算対応)

中(3月決算の件数による)

年末調整

11〜12月

小(年末調整は別部門が対応)

中(事務所が年末調整を受任している場合)

繁忙期の詳しい乗り越え方については税理士の繁忙期の乗り越え方で解説しています。

面接でWLBを確認する方法

WLBは面接で直接聞きにくいテーマですが、聞き方を工夫すれば自然に確認できます

  • 「繁忙期の平均的な退社時間はどのくらいですか?」→ 残業の実態を把握
  • 「皆さんはお休みをどのように取られていますか?」→ 有給取得の雰囲気を確認
  • 「リモートワークの制度はありますか?」→ 柔軟な働き方への対応度を測る
  • 「1人あたりの担当件数はどのくらいですか?」→ 業務量の過多を間接的に確認

これらの質問に具体的な数字で答えてくれる事務所は信頼できる傾向があります。逆に曖昧に濁す場合は要注意です。面接対策の詳細は税理士の転職面接対策も参考にしてください。

WLB重視で転職する際の注意点

  • WLBだけで選ぶとキャリアが停滞するリスク:残業が少ない事務所が、必ずしもスキルアップに最適とは限らない
  • 「残業ゼロ」は非現実的:税理士業界で完全に残業がないことはほぼない。「許容範囲かどうか」で判断する
  • 年収とのトレードオフ:WLBが良い職場は年収がやや低い傾向。自分の優先順位を明確にする

まとめ

税理士法人のWLBは法人タイプ、規模、所長の方針によって大きく異なります。「税理士=激務」というイメージは必ずしも正確ではなく、適切な職場を選べば仕事とプライベートを両立させることは十分に可能です。

WLBの実態は外部からは見えにくいため、転職エージェントから内部情報を得ることが重要です。エージェントは事務所の残業状況や離職率のデータを持っていることが多いです。おすすめの転職エージェントは税理士向け転職エージェントランキングで比較しています。

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Suger税理士

税理士資格保有。会計事務所・税理士法人での実務経験を活かし、会計業界のキャリア・転職に関するリアルな情報を発信しています。

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