「税理士として独立したら、いくら稼げるのか?」——これは独立を考える税理士なら誰もが気になるテーマです。結論から言うと、年収300万円から3,000万円以上まで、振れ幅は非常に大きいのが現実です。
独立税理士の年収分布
年収レンジ | 割合(筆者の肌感覚) | 特徴 |
|---|---|---|
300〜500万円 | 約20% | 開業初期、または顧客獲得に苦戦 |
500〜800万円 | 約30% | 安定的に顧客がいるが成長が鈍化 |
800〜1,200万円 | 約25% | 順調に拡大。1人〜少人数で運営 |
1,200〜2,000万円 | 約15% | スタッフを雇い始める規模 |
2,000万円以上 | 約10% | 小規模事務所として確立 |
周囲の独立した税理士を見ていると、うまくいっている人で年収2,000万円超、苦戦している人だと500〜800万円という感覚です。
開業初年度のリアル
独立初年度は、前職から引き継いだ顧客がない限り、年収300〜500万円が現実的です。勤務時代の半分以下になることも珍しくありません。
ただし、税理士の独立は他の士業と比べると軌道に乗るまでの期間が比較的短いと言われています。毎月の顧問料が積み上がるストック型のビジネスモデルだからです。
月収の内訳
独立税理士の収入源は主に以下の3つ:
1. 顧問料(月額ストック)
顧問先1社あたり月3〜5万円が相場。20社持てば月60〜100万円。これが安定収入のベースになります。
2. 決算・申告報酬(年1回のスポット)
顧問料の3〜6ヶ月分が相場。決算時期に一気に売上が立ちます。
3. スポット業務
相続税申告、税務調査立会い、組織再編のアドバイザリーなど。特に相続税申告は1件50〜100万円以上になることも。
成功する人と苦戦する人の違い
成功する人の共通点
- 独立前から人脈やネットワークを構築していた
- 明確な専門分野や強みがある
- 営業に対する抵抗感がない
- Web集客やSNSなど、デジタルマーケティングに対応できる
苦戦する人の共通点
- 「資格を取れば客は来る」と思っていた
- 勤務時代に顧客との接点が少なかった
- 記帳代行など低単価業務しかできない
- デジタルツールへの対応が遅い
正直なところ、税理士業界は古い体質が残っており、紙文化や対面至上主義から脱却できていない事務所も多いです。逆に言えば、デジタル対応やクラウド会計を使いこなせる税理士は差別化しやすい環境とも言えます。
独立に向いている人・向いていない人
- 向いている人:人付き合いが好き、営業ができる、不確実性を楽しめる、経営に興味がある
- 向いていない人:安定収入がないと不安、技術一筋でやりたい、人に会うのが苦手
「食えなくなることはない」のが税理士の強みとはいえ、独立して高収入を得るには税務スキル以外の能力も必要です。自分の適性を冷静に見極めた上で判断してください。
独立を視野に入れるなら今できること
独立を将来的に考えているなら、今の勤務期間中にできることがあります:
- 顧客対応の経験を積極的に積む
- 税理士のコミュニティや勉強会に参加してネットワークを広げる
- 相続や事業承継など高単価分野のスキルを身につける
- Web集客やSNSの発信を試してみる
独立は「決めてから動く」のでは遅い。勤務しながら少しずつ準備を進めるのが、成功確率を上げる最善の方法です。
