「税理士の年収って実際どのくらい?」——これは税理士を目指す方、転職を考えている方が最も気にするポイントだと思います。
筆者は金融機関→準大手税理士法人→大手コンサル→上場企業と4社を経験し、年収350万円から800万円まで上がりました。この記事では、公的データに加えて業界にいるからこそ分かる肌感覚も交えながら、税理士の年収事情を正直にお話しします。
税理士の平均年収データ
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は約700万円前後とされています。ただし、この数字はあくまで平均であり、実際には勤務先の規模や経験年数によって大きく変わります。
勤務形態 | 年収レンジ | 備考 |
|---|---|---|
中小個人事務所 | 400〜600万円 | 事務所の顧客層に依存 |
準大手税理士法人 | 500〜800万円 | 5年で700万が目安 |
Big4税理士法人 | 600〜1,200万円 | マネージャー以上で1,000万超 |
事業会社(税務ポジション) | 600〜900万円 | 上場企業はそこまで安く取らない |
独立開業 | 300〜3,000万円 | 完全に実力次第 |
勤務先の規模で年収は大きく変わる
正直なところ、税理士の年収は「どこで働くか」で7割が決まると感じています。
筆者の周囲を見ても、中堅以上の事務所であれば30歳時点で800万円に届くケースは珍しくありません。一方で、中小の個人事務所だと400〜600万円というのが現実です。事務所自体が良い顧客を抱えていなければ、そもそもスタッフに出せる報酬にも限界があります。
中小個人事務所の年収事情
個人事務所は所長の方針と顧客層がすべてです。相続や組織再編など高単価案件を扱っている事務所なら待遇も良いですが、記帳代行中心の事務所だと年収400万円台にとどまることもあります。
「アットホームな事務所です」という求人文句を見たら、まず顧客の中身と単価を確認してください。働きやすさと年収が両立するかどうかは、結局そこで決まります。
準大手〜大手税理士法人の年収事情
準大手であれば、5年いると年収700万円前後がひとつの目安です。筆者自身、2科目合格の段階で準大手に転職した際には年収が100万円以上アップしました。科目合格でも市場価値は確実にあります。
Big4になるとさらに上がり、マネージャークラスで1,000万円超、シニアマネージャーで1,200〜1,500万円というのが一般的です。
管理職・パートナーの年収
管理職クラスになると1,200〜2,000万円のレンジ。パートナーに至っては青天井です。ただし、パートナーになるには10〜15年のキャリアと、案件の獲得力が求められます。
年齢別の年収推移
年齢 | 年収目安(準大手以上) | 年収目安(中小事務所) |
|---|---|---|
20代前半 | 350〜450万円 | 300〜400万円 |
20代後半 | 450〜600万円 | 350〜500万円 |
30代前半 | 600〜800万円 | 400〜600万円 |
30代後半 | 700〜1,000万円 | 500〜700万円 |
40代以降 | 800〜1,500万円 | 500〜800万円 |
この差は年齢を重ねるほど広がっていきます。だからこそ、20代〜30代前半の「どこに身を置くか」の選択が極めて重要です。
事業会社の税務ポジションという選択肢
筆者は現在上場企業に在籍していますが、事業会社の税務ポジションの年収は600〜900万円がボリュームゾーンです。上場企業が税理士を採用する場合、それなりの処遇を用意してくれる傾向があります。
また、事業会社は残業が税理士法人より少ないケースが多く、時給換算すると同じ年収でもかなり条件が良いという側面もあります。
地域による年収差
東京と地方では100〜200万円の差が出ます。ただし、地方は生活コストが低いため、実質的な豊かさは年収だけでは測れません。地方でも相続案件の多いエリアでは高い年収を維持している事務所もあります。
年収を上げるために最も重要なこと
筆者の経験から断言できるのは、「転職」が最も効率的な年収アップの手段だということです。同じ事務所にいて年10〜20万円の昇給を待つよりも、転職で100万円以上上がることの方が現実的です。
実際、筆者は3回の転職で年収を350万円から800万円まで引き上げました。もちろん転職はリスクもありますが、税理士資格があれば転職市場で「選ぶ側」に回れるのは大きな強みです。
会計業界に特化した転職エージェントを使えば、科目合格の段階でも適正な評価を受けられます。逆に、業界に詳しくないエージェントだと「ただの科目合格でしょ?」と軽視されるリスクがあるので注意してください。
