税理士の年収は年齢とともに上がっていく——これは間違いではありませんが、上がり方には大きな個人差があるというのが現実です。
筆者は20代で年収350万円の金融機関からスタートし、30代前半で800万円まで到達しました。ここでは各年代の年収の目安と、私自身や周囲の事例をもとに、年収を最大化するための戦略をお話しします。
20代の税理士年収|科目合格が鍵
20代前半:300〜450万円
20代前半は正直、年収よりも「どんな経験を積むか」の方が重要です。この時期に記帳代行しかやっていないのと、法人税の申告書を自分で書いているのとでは、30代の年収に大きな差が出ます。
20代後半:450〜650万円
科目合格が進むにつれて、年収は着実に上がります。筆者自身、2科目合格の段階で転職した際には年収が100万円以上アップしました。20代後半は科目合格のタイミングと転職を組み合わせることで、効率的に年収を上げられる時期です。
準大手以上の事務所であれば、20代後半で600万円に届くことも十分あります。
30代の税理士年収|キャリアの分岐点
30代前半:600〜900万円
30代前半は税理士キャリアにおける最大の分岐点です。ここで「どの方向に進むか」によって、その後の年収の天井が変わってきます。
中堅以上の事務所であれば、30歳で800万円は十分に射程圏内です。筆者の周囲でも、準大手に5年いれば700万円前後がひとつの目安でした。
30代前半の進路 | 年収目安 | 将来性 |
|---|---|---|
準大手で管理職を目指す | 700〜900万円 | 管理職なら1,200万超へ |
Big4へ転職 | 700〜1,000万円 | マネージャーで1,000万超 |
事業会社へ転職 | 600〜800万円 | WLB重視なら最適解 |
コンサルへ転職 | 700〜1,200万円 | M&A・FA領域で高年収 |
独立開業 | 300〜1,000万円 | 軌道に乗れば青天井 |
筆者はこの時期にコンサルへ転職して年収700万円に到達しました。税理士法人で間接的にM&Aに関わるうちに「ディール全体をやりたい」と思ったのがきっかけです。税理士資格があれば、税務以外の周辺領域にもキャリアを広げられるのは大きな強みだと実感しています。
30代後半:700〜1,200万円
30代後半になると、マネージャーやシニアクラスとして年収1,000万円を超える人も出てきます。逆に、中小事務所で同じ仕事を続けていると600〜700万円で頭打ちになるケースも。
40代の税理士年収|マネジメントか専門特化か
40代は管理職ルートと専門特化ルートで年収が大きく分かれます。管理職であれば1,200〜2,000万円。国際税務や移転価格といった専門領域のスペシャリストもこのレンジに入ることがあります。
一方で、パートナーに至ると文字通り青天井です。案件の獲得力次第で数千万円も可能。ただし、営業力やマネジメント力も問われるため、税務の技術だけでは到達できないポジションです。
50代の税理士年収|独立か残留か
50代は大きく2パターンに分かれます。組織に残ってパートナーや部門長として1,500万円以上を得るか、長年の経験と顧客を活かして独立するか。独立した場合、うまくいっている人は年収2,000万円超、苦戦している人は500〜800万円というのが周囲を見た肌感覚です。
年齢別・年収最大化のポイント
- 20代:科目合格を進める。1科目でも合格すれば転職で年収UP
- 30代前半:「どこに身を置くか」を真剣に考える。準大手以上なら5年で700万は十分到達可能
- 30代後半:マネジメントか専門特化か、方向性を固める
- 40代:管理職を目指すなら組織に残る。独立するなら顧客基盤の構築を始める
- 50代:経験を活かして独立するか、組織で高い報酬を維持するか
どの年代でも共通して言えるのは、「待っていても年収は上がらない」ということ。自分から動ける人が結果的に高い年収を手にしています。
