税理士の資格を持ちながら勤務している方の中には、「副業で収入を増やしたい」「独立の準備として少しずつ顧問先を持ちたい」と考えている方が少なくありません。近年は働き方改革や副業解禁の流れもあり、税理士の副業・ダブルワークへの関心が高まっています。
この記事では、税理士が副業で収入を増やしながら、将来の独立準備にもつなげる具体的な方法を解説します。
税理士に人気の副業トップ6
1. 個人の確定申告代行(月5〜15万円)
最もポピュラーな税理士の副業です。1〜3月の確定申告シーズンに個人事業主やフリーランスの確定申告を代行します。
- 報酬目安:1件あたり3〜10万円(記帳代行込みだと高くなる)
- 集客方法:クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークス)、税理士紹介サービス、知人の紹介
- メリット:繁忙期の3ヶ月間だけで30〜50万円の追加収入が見込める
2. 記帳代行・経理代行(月3〜10万円)
中小企業や個人事業主の記帳業務を代行します。毎月安定した収入が得られるため、独立後の基盤作りとしても有効です。
- 報酬目安:1社あたり月1〜3万円(仕訳量による)
- 3〜5社担当すれば月5〜15万円の安定収入に
- クラウド会計(freee、マネーフォワード)を活用すれば在宅で完結可能
3. 税務コンサルティング・スポット相談(月5〜20万円)
顧問契約ではなく、単発の税務相談に対応する形式です。相続税の試算、節税対策の提案、法人設立時の税務相談などが典型的です。
- 報酬目安:1回の相談で1〜5万円、相続税の試算なら10〜30万円
- ビザスクやスポットコンサルサービスを通じた案件獲得も可能
4. 税務ライター・コンテンツ制作(月3〜15万円)
税務に関するWebコンテンツや書籍の執筆を行います。「税理士」の肩書きで書く記事は高単価で依頼されることが多いです。
- 報酬目安:1記事あたり5,000〜30,000円(文字数・専門性による)
- 月5〜10本執筆すれば月5〜15万円の収入に
- 自分のブログ・メディアを運営すれば広告収入も見込める
5. セミナー講師・研修講師(1回3〜10万円)
税務セミナーや企業研修の講師として登壇します。専門知識のアウトプットが独立後の営業力強化にもつながる一石二鳥の副業です。
- 報酬目安:1回2〜3時間で3〜10万円
- 商工会議所、金融機関、不動産会社からの依頼が多い
- 登壇実績が増えると「あの分野に詳しい税理士」として認知される
6. 顧問契約(月3〜5万円/社)
独立を視野に入れている方に最もおすすめの副業です。副業として少数の顧問先を持ち、独立後に本業とする形です。
- 報酬目安:1社あたり月3〜5万円。年間決算料を含めると1社あたり年間50〜80万円
- 3〜5社の顧問先を持てれば年間150〜400万円の基盤ができる
- 独立前に顧問先を確保しておくことで、独立時のリスクを大幅に軽減できる
副業の月収シミュレーション
副業の組み合わせ | 月収目安 | 年間追加収入 |
|---|---|---|
記帳代行3社 + 確定申告5件/年 | 月5〜9万円 | 約80〜120万円 |
顧問2社 + ライター月5本 | 月10〜15万円 | 約130〜180万円 |
顧問3社 + スポット相談 + セミナー | 月15〜30万円 | 約200〜360万円 |
本業の年収に加えて年間100〜300万円の副収入が得られれば、生活の質を上げながら独立資金の蓄積も可能です。
副業を始める前の注意点
勤務先の就業規則を確認する
最も重要な確認事項です。副業を禁止している事務所はまだ多く存在します。就業規則に違反して副業が発覚した場合、懲戒処分の対象になるリスクがあります。
副業OKの事務所であっても、「競業避止義務」に注意してください。勤務先と同じエリア・同じ業種のクライアントを副業で持つと、トラブルの原因になります。
税理士登録の有無を確認する
税理士として報酬を得て税務代理・税務書類の作成を行うには、税理士登録が必要です。科目合格段階で税務申告の代行を行うと税理士法違反になるため注意してください。記帳代行やライター業務は税理士登録なしでも可能です。
確定申告を忘れずに
副業収入が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。税理士が確定申告を怠るのは信用問題ですので、くれぐれも忘れないでください。
副業から独立へのステップ
副業を独立準備として位置づける場合の理想的なステップは以下のとおりです。
- Step 1(1年目):記帳代行や確定申告代行で実績を積み、副業収入を月5万円まで育てる
- Step 2(2年目):顧問契約を1〜2社獲得し、月10万円の安定収入を確保する
- Step 3(3年目):顧問先を3〜5社に拡大。月15〜25万円の副業収入が見えてきたら独立を具体的に検討
- Step 4(独立):副業の顧問先をそのまま引き継ぎ、独立初日から収入がある状態でスタート
まとめ
税理士の副業は、単なる収入アップの手段ではなく、将来のキャリアを広げる戦略的な活動です。独立を考えている方は副業で顧問先を少しずつ増やし、独立後のリスクを最小限に抑えましょう。
副業OKの事務所への転職を検討している方は、税理士向け転職エージェントに相談すれば、副業可否の情報も教えてもらえます。税理士のフリーランスガイドもあわせてお読みください。
